MYMIMI:2015/2016
作品のあらすじ
ブックハンター。それは本と人とを繋ぐ者。心を読む事でページを捲らずして本を読む「読書」能力を持つ女子高校生ブックハンターミミミと、その同級生のシドが依頼された様々な本探しをこなしていくコメディー。
キャラクター設定
主要人物
妃ノ宮ミミミ
東京都文京区にある道礼高校に通う女子高校生。二年一組→三年生(「誰も知らない物語」の途中より)。漢字表記は美海実。1999年3月3日生まれ。身長153cm。体重49kg。胸囲81cm。依頼人が欲しがっている本を探し出すブックハンター。本の心を読む事で、実際に中身に目を通さなくても内容を理解する事が出来る「読書」能力を持つ。常識から外れた言動を度々行い、周りからは変人と思われている(だが嫌われてはいない)。学校では図書委員会の特別委員として購入する図書室の本の決定に関わったり、定額利用サービスと銘打って読書好きの生徒に毎月好みに合った本を買ってきたりと、本のソムリエの様な事もしている。背中に負っているプラスチック製のバットがトレードマーク。一人称は基本的に「ボク」だが、気分によって変わる。童顔で背は低いが貧乳ではない。髪型はサイドテールで、頭頂部の触覚の様な寝癖が特徴。飯田橋駅近くのアパートで独り暮らしをしている。
業界では名の知れたブックハンターの名家の人間で、実家は青梅市ののどかな山の中にある。母親であるママミを唯一苦手とし、彼女の前では調子が狂う。
読書(リーディング)
イデアにある本の心に干渉しそれを読む事で、ページを捲らなくても本の内容を理解する事が出来るミミミの異能力。使用中は目が虚ろになり、使用後は睡魔に襲われる(目次を見る程度なら大丈夫の様)。以下が詳細。
・この能力における「本」の定義は「視覚的情報が記録された、綴じられた状態である物」と考えられる。この「視覚的情報」には文字や記号の他にも、写真や絵といった物も含まれる。また音や匂いの人工的な仕掛けがあればそれらも多覚的に理解出来る。製本されておらず、ステープラーやクリップで綴じられている程度でも読書は可能。
・内容がミミミが知らない言語でも理解出来る。
・ページが破れていたり、焼失していたり、インクが滲んでいたりして肉眼では読む事が出来ない箇所があったとしても、それが上に記した本としての体裁を保っていれば心はあるのでその箇所も「読む」事が出来る。
・本をそばに置いて眠れば睡眠中にイデアに干渉して夢の中で読む事が出来る。ただし一度読んだとしてもその内容をどれくらい覚えておけるのかはミミミ次第。あくまでも読書の能力であり、記憶しておくのは別。
・ミミミの言動が常識から外れているのは、この能力で際限無い情報を脳にインプット出来る代わりに脳の情報のアウトプット機能が狂っているからなのかもしれない……。
塚原シド
ミミミのクラスメイトの男子。漢字表記は志度。生年月日は1998年4月10日。身長170cm。体重62kg。眼鏡をかけており、つんつんした髪型。物語は彼の視点で描かれる。いつもミミミに振り回されハントに付き合わされるが、彼女に文句を言いながらも何だかんだで放ってはおけない模様。千代田区神田神保町に住んでおり、祖父ライゾウが「古詠堂書館」という古書店を営んでいる。思春期のため部屋にはAVが隠されているが、ミミミ曰くハードな内容の物らしく、度々引かれる。ちなみにエロ本も五十冊ほど所有している。巨乳好き。ミミミを異性としては意識していないが、彼女のパンチラは毎回見ている。
「2016」から十一年後が舞台のスピンオフ「eve:2027 - ブックサンタミミミ番外編」では古詠堂書館跡地に読書喫茶を開業しており、ムムムとメメメを見守る立場になっている。
名前の由来は音階「ドレミファソラシド」の「シド」。
道礼高校関係者
フア
「2015 - この世に存在してはいけない物語」に登場。漢字表記は富亜。ミミミとシドと同学年で金髪の男子生徒。顔つきも整っており、一言で表すとイケメン。女子からの評判がすこぶる高い事で有名。バレー部員。
中学生時代に中二病丸出しの小説を書いており、それを黒歴史として恥じている。
名前の由来は音階「ドレミファソラシド」の「ファ」。
芦辺
「2015 - ふたつの心を宿す本」他に登場。「ブック・イン・ブックハント」の依頼人で、ミミミとシドのクラスメイトの男子。物静かな性格でいつも大人しい美術部員。三組の桐野という女子に好意を抱いている。依頼後は気持ちが通じて彼女と交際している模様。
ソラジ
「2015 - ふたつの心を宿す本」に登場。ミミミ達の先輩で、パソコン部長の男子。漢字表記は空次。「道礼高の情報屋」の異名を持ち、道礼高校のあらゆる情報は彼に聞けば入手出来る。ミミミと業務で提携しており、その際の依頼料は彼女の報酬の一割。
名前の由来は音階「ドレミファソラシド」の「ソラ」。
桐野
「2015 - ふたつの心を宿す本」に登場。二年三組の女子生徒。芦部の事が好き。胸がそこそこ大きいらしい。
榊ウスシ
「2016」に登場。体育教師。五十五歳。変態。女子水泳部の顧問だが普段の練習は外部のコーチに任せ、試合の時ぐらいしか顔を出さない様にしているらしい。アツシという会社を経営している兄がいる(志室幸太郎作「NAYUTA:2012 学園生活はエンターテイメントでなければならない!」に登場)。
妃ノ宮家
「2016」に登場。ミミミの実家で、江戸時代より代々続くブックハンターの名家。現在の家督はミミミの母であるママミだが、忙しいためほとんど家を空けている。
妃ノ宮ママミ
漢字表記は真麻実。三十四歳。ミミミ、ムムム、メメメの母親。折り紙付き(ノンブル)ハンターのひとりで、番号は1、つまり世界一の実力を持つと評されている。おっとりとした性格でかなりのマイペース。天然ボケであり文脈を無視した発言を度々行う。実年齢よりも若く見える。ミミミが世界で唯一苦手としている相手。着物姿で和傘と扇子を常に持ち歩いている。ミミミと同じくブックハンターで、一年のほとんどを仕事に費やしているため基本的に家にいない。帰ってくるのは二、三年に一度。暦史書管理機構から度々コロンシリーズの探書依頼を受けており、機構のお抱えブックハンターのひとりとなっている。
司書(ライブラリアン)
イデアのアーカイヴに干渉(アクセス)し、そこに存在する古今東西全ての本の心を読む事が出来るママミの異能力。アーカイヴに収められている本の心には初版の発行年月日といった基本情報だけでなく、その本(の全ての版及び刷)が今現在世界のどこに存在しているのかなどといった情報も書き込まれている。そのためママミはイデアのアーカイヴで本を手に取る事によってどこに行けばそれを手に入れられるのかを知る事が出来る。ただし検索が出来る訳ではないので、欲しい本をすぐに見付けられるとは限らない。
人智を超えた能力であるため、その分精神に相当な負荷がかかる。よってママミは起きていても眠気が取れていない事がほとんどである(=半睡眠・白昼夢状態)。無意識の内にアーカイヴにある本を漁っているので彼女の意識の半分は常にイデアにあると言っても過言ではない。
この能力の片鱗が読書能力である。
妃ノ宮ムムム
漢字表記は舞武夢。五才。ミミミの弟でメメメの双子の兄。髪がやや長く、女の子と間違われてもおかしくない外見をしている。作者によると「ムムムは本来は大人しい性格だが、対照的に活発なメメメに触発されている」らしい。
「eve:2027」の主人公。かなりの甘党に育っており「超絶ド糖」がキャッチコピーの「激甘MAXコーヒー」が大好物。
妃ノ宮メメメ
漢字表記は愛萌芽。五才。ミミミとムムムの妹。おさげ髪で一人称はミミミと同じ「ボク」。
ムムムと同じく「eve:2027」の主人公で、その頃には眼鏡をかけている。
坂上重治
妃ノ宮家に仕える老齢の男性。ムムムとメメメの世話をしている。ミミミ達からは「重じい」、シドからは「重さん」と呼ばれている。
服部
妃ノ宮家の使用人でママミに付き従うスーツ姿の男。坂上の部下。シノビの一族の末裔で、身体能力は並外れている。人力車を運転する。
アイドル・グループATM31にドハマりしたらしく、ライブグッズ一式とCDを買っていた他、MIXまで完全に覚えていた。推しチームはTらしい。
暦史書管理機構
「2016」に登場。都市伝説と噂されている書籍群「コロンシリーズ」を収集、保管している組織。世界各国に支部がある。
有栖川ユウコ
「第二次コロンシリーズハント」の代表依頼人。十六歳。目の上で綺麗に切り揃えられた黒い髪と、同じく黒いワンピースが特徴の少女。コロンシリーズを管理する有栖川家の娘で日本のアーカイヴの番人。東京の地下に暮らしている。
本作に限らず他の作者の様々な作品に登場する。
シン・ズーシュエン
「第一次コロンシリーズハント」の依頼人で中国系のブックハンターの男。二十九歳。諜報部員。最近はブックハンターとしての活動をあまり行えていない様でミミミからの「2000冊ハント」の依頼の際には内心で相当喜んでいた様だ。
志室幸太郎作「SIN:2015 - この世に存在してはいけない物語」及び関連作品の主人公で、同作品はミミミが初登場した物でもある。
ヤン・タオロン
中国系の小太りの男。二十七歳。異能処理班員。同じ班員のリリィという少女に好意を抱いているがややストーカーじみているせいか全く相手にされていないらしい。
浮気泡(シャボン)
水の心を操りシャボン玉を作り出すヤンの異能力。生成されたシャボンは空気が超圧縮されているため凄まじい破壊力を持つ一方で、対象を包み込む事で守護結界としても機能する。「第二次コロンシリーズハント」の際にはミミミとジェイクの最終決戦において彼女の全身に薄い膜としてドレスの様に纏わせる事で彼のカヴァーに対抗した。また応用としてレンズを作り出したりもしていた。
作中での描写は無いが、汗や唾液といった体内の水分の操作も可能である(自身に限る)。
ブックハンター達
本探しを生業とする人々。探書家とも。得意とする特定のジャンルを専門に扱う者もいる。またアプリコットの様に全員が決して専業という訳ではない。
アプリコット・ブレイスフォード
「2016」に登場。イギリス人の父と日本人の母を持つハーフの女で、ゴスロリファッションのブックハンター。「第一次コロンシリーズハント」の際にミミミと知り合った。二十四歳。見た目はクールで妖艶だが、感情が高ぶると口調も含め粗暴になる。しかし案外恥じらいを見せる純情な一面も。処女。「アプリコット」は自ら名乗っている別名で、本名(日本の戸籍上の名前)はブレイスフォード・林檎リコット。ミミミに「ゴスロリッ娘」を縮めて「ゴリ子」と呼ばれる事を嫌がっている(しかし本名に「ゴリコ」が含まれており、それを知った彼女は相当なショックを受けていた)。ブックハントの時には勝負下着としてレースの物を着用するというこだわりを持つ。
本業は傘屋で、原宿に店を構えている。本名「林檎(リンゴ)」はリヴァプール出身の父が同郷の世界的に有名なバンドのメンバーの名前から拝借したらしい。
傘(アンブレラ)
傘の心を操作し、思うままに操るアプリコットの異能力。強度を上げる事で剣や槍の様に扱う。開けば盾にもなる。また中棒ごと回転させる事でドリルにもなる(相当な集中力が必要な様で動き回る対人戦闘では基本的に使えない)。他にも上下を持ち替える事で鎌にしたり、作中での描写は無いが開いた傘の親骨を反らす(いわゆるラッパ傘)事でアンテナにして通信を傍受したりと応用が利く。
風見鳥丸
「2016」に登場。バンダナを巻いた好青年。「第二次コロンシリーズハント」でミミミ、シド、アプリコット、ヤンと共にチームを組んだ。二十六歳。掌法を心得た武道家で、面倒見がよく度々リーダーシップを発揮する。ミミミからは「風見鶏のあんちゃん」と呼ばれる。
心羅陰陽双極之理
自身の掌の心を操作し、万物に宿る陰陽ふたつの『氣』にそれぞれ相反する性質を生じさせる風見の異能力。彼を中心として生物が纏う陽(プラス)の『氣』には遠心力、それ以外の陰(マイナス)の『氣』には引き寄せる求心力が生まれる。発動する前に予め対象に掌で触れ、『氣』を乱さなければならないという条件がある。また一度能力を使用した対象には『氣』が再び安定するまでの二十四時間再び使用する事が出来ない。心、つまり体の内側に作用するので、弾き飛ばされる際は内臓に相当な衝撃が加わる。
ジェイク
「2016」に登場。イギリスを拠点に活動しているアメリカ人のブックハンター。三十二歳。「第二次コロンシリーズハント」でミミミ達と「RENJIRO:1945」を取り合ったハンターズ・サークルのリーダー。瞳の色は金で、目つきが悪い。短気で苛立つとよく「クソが」と暴言を吐く。母国に療養中の妹がおり、その治療のためにお金を必要としている。本人は自覚していなかったが周囲の人間いわく口臭が臭いらしく、少し気にしている。
「第二次コロンシリーズハント」の後、腕を買われ暦史書管理機構にしばらくの間雇われる事になった。
飾皮(カヴァー)
皮膚の心を操作し硬化させ、自らを守る鎧を作り出すジェイクの異能力。身に付けている衣服の上にも展開される。使用中は異質な姿になる事から鬼(オーガ)の異名を持つ。また質量が増加するため重くなり、水中では解除しなければ溺れてしまう危険がある。弱点は唯一効果の対象外となっている目。また体表を変化させた物なので、体内、つまり口の中も無防備である。
キース
「2016」に登場。ジェイクの仲間。帽子を被った金髪の青年。二十五歳。武道家で、風見との戦いの際には『濤』という概念について触れていた。異能力者だが、披露出来ないままハントが終わってしまった。本人曰く「華麗」らしい。
ジェイクと同じく「第二次コロンシリーズハント」後は暦史書管理機構にしばらく籍を置く事に。
エルシィ
「2016」に登場。ジェイクの仲間の金髪の少女。十七歳。「エルシィ(L.C)」はイニシャルで本名は不明。さらに「エル」という愛称で呼ばれている。語尾に「~っス」と付けるのが口癖。同じく仲間であるミアマリーを妹の様に可愛がっている。戦う際は曲芸師の様なアクロバティックな動きで相手を翻弄し、相対したアプリコットに舞を舞っている様だと評され苦戦を強いた。
ハリセン(サウザンズ・ニードル)
ハリセンの心を操作するエルシィの異能力。空気を振動させイデアの心を直接叩く。
スプリング(ビフォー・ザ・サマー)
ハリセンを強力なバネにし、トランポリンの要領で上空へと跳び上がる応用技。しかし踏み付けるためあまり使いたくはないらしい。
ジェイクと同じく「第二次コロンシリーズハント」後は暦史書管理機構にしばらく籍を置く事に。
ミアマリー
「2016」に登場。ジェイクの仲間の青髪の少女。八才。愛称はマリー。
親愛なる隣人(マイ・リトル・ラヴァー)
世界的に有名な熊のぬいぐるみ「ステディ・ベア」のチャッキーの心を操作し、意のままに操るミアマリーの異能力。しかし彼女には能動的に異能力を使っているという認識が全く無く、深層意識(無意識)が常時能力を発動している状態となっている。チャッキーの行動は全て彼女が心の奥底で望んでいる事で、チャッキーが彼女の指示に逆らう場合は心の葛藤を表している。彼女の意識が途絶えればチャッキーも動かないただのぬいぐるみに戻るが、意識の無い彼女はそれを当然認識する事が出来ない。したがって彼女はチャッキーが本当に生きているぬいぐるみだと思い込んでいる。
中身の綿を膨張させる事で巨大化させる事も可能。
作者曰く「彼女が健全に成長すればいずれ異能力が使えなくなる。チャッキーが全く動かなくなった時、すなわち彼女が異能力から解放された時は孤独を完全に払拭した時であり、本当の意味で大人になった時」との事。
ジェイクと同じく「第二次コロンシリーズハント」後は暦史書管理機構にしばらく籍を置く事に。
ダン
「2016」に登場。ジェイクの仲間の東洋人の男。二十八歳。漢字表記は弾。「第二次コロンシリーズハント」にてヤンになりすましてミミミ達と共に行動し、情報をジェイク達にリークしていた。素顔がほとんど出ていないためハント後に病院でシドと対面した際には誰かわかってもらえなかった。
ジェイクと同じく「第二次コロンシリーズハント」後は暦史書管理機構にしばらく籍を置く事に。
化けの皮(レザー・フェイス)
自らの肉体の心を操作し他人に変身するダンの異能力。対象の心に干渉し、身長、体格、体重、声の情報までもを完全に複製し自分の心の表面に覆い被せる事で全くの別人になる事が出来る。コピーする際には相応の時間相手の心に触れて情報をよく読み取らなければならない。
雪平瑠璃子
「晩秋のインターリュード」に登場。女子大生。くるりと癖の付いた栗色の髪にぱっちりとした瞳が特徴的で、男からすれば庇護欲を掻き立てられる様な雰囲気を持っている。しかしそれはターゲットを手に入れやすくするための演技であった事が後に発覚する。実際は目付きはおろか口調まで違う。弟が何人かいるらしい。
折り紙付き(ノンブル)
「2016」に登場。世界トップクラスの十人のブックハンター。他のハンター達によって実力順に1から10までの番号を振られ評価されている。
リチャード
イギリス人の老齢の男。シルクハットが特徴。番号は7。朗らかな性格。
リーシャオ
チャイナドレスを着た中国人の女性。二十九歳。番号は5。常に煙管を持ち歩いている。酒豪。
アリフィヤ
銀髪で白い肌のロシア人の少女。十才。番号は10。唯一の子供。愛称はアーリャ。ママミを「マー」と呼び彼女に懐いている。ミミミにも興味を示している模様。
クルス
金髪の日本人の男。三十三歳。番号は2。漢字表記は来栖。アメリカ在住でジェイク達を歴史書解放戦線に紹介した人物。
ママミの学生時代の後輩で彼女を常にライバル視しているが、一方で彼女を乗り越えるべき目標としている。語られてはいないが、彼女に好意を寄せていた。
エイモンド
ケニア人の男。三十一歳。番号は6。
歴史書解放戦線
「2016」に登場。コロンシリーズの公開を目的に活動している、暦史書管理機構とは対となる組織。「第二次コロンシリーズハント」は実質的にブックハンターを使った機構と戦線の代理戦争であった。
北条
諜報員。二、三十代と見られる年齢不詳の男。コロンシリーズを盗み取るために暦史書管理機構にスパイとして潜入していた。機構では諜報部に所属していたが実地での隠密活動ではなく、管理部門の業務を行っていた。本名も不明で「北条」は偽名である。
ドア・トゥー・ドア(D2D)
扉の心を操作し、離れた扉同士を繋げる北条の異能力。繋げるためには予め出入口とする両方の扉の心に干渉してマーキングしておく必要があるが、どの程度の距離まで繋げられるのか、ひとつの入口に対しいくつまでの出口を設定出来るのか、またマーキングの持続時間などは一切不明。扉の大きさに関わらず繋げる事が出来、人が通れない様な戸棚の戸なども効果の対象に入る。
その他の人々
黒崎詩織
「2015 - 誰も知らない物語」に登場。「城跡めぐりハント」の依頼人。1996年4月生まれ。眼鏡をかけた黒髪の女子大学生。
城跡めぐり
「2015 - 誰も知らない物語」に名前のみ登場。詩織が十年前に読んだ小説「イリスの道程」の作者。その正体は同時期に飛行機事故で命を落としてしまった彼女の父・行雄で、彼女の十才の誕生日プレゼントとして小説を執筆していた。
高橋幸司
「2016」に登場。「2000冊ハント」の代表依頼人。三十五歳。長年の夢だった移動図書館を開館する事になり、その蔵書2000冊のハント(購入)をミミミに依頼する。その背景には二十年前の淡い記憶があった。
紀伊國怜慈
「2016」に登場。「写真集交換ハント」の依頼人。外出する時は頭にバンダナを巻き、ワイシャツをズボンの中に入れるというステレオタイプのオタクを地でいく小太りの男。丸眼鏡をかけている。コスプレイヤーの写真集収集、及びその撮影を趣味としている。なぜか「ござる口調」で話し、一昔前のネット・スラングを会話で多用する。
北之上義成
「2016」に登場。小金井市の屋敷に住んでいるメイドマニアの青年。飄々としている。屋敷の書庫には5000冊以上もの写真集を所有している。ただし好みのエロ本のジャンルは和物らしい。
余談だが、約九十年後の福岡を舞台にした作者の別作品「AKIRA:2104」にも同じ苗字のメイド好きの少年が登場する。関係は不明。
アイズ
「2016」に登場。十八歳。北之上家のメイド体験講座に潜入した際にミミミとシドが出会った金髪のツインテールの少女。日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフ。今は亡き双子の妹のメイルの写真集を探しており、噂を聞き付けミミミ達と同じく北之上の屋敷に忍び込んだ。ハントには敗れたが、結果的にミミミに頼み込んで自らがコスプレして撮影される事と引き換えに紀伊國からメイルの写真集を譲り受ける。
その後コスプレに惹かれたのか、メディアにも露出するほどの有名コスプレイヤーになる。なおその際の芸名は本名ではなく「石動メイル」と名乗っており、妹の名前を引き継いでいる。
メイル
「2016」に名前のみ登場。享年十八。既に交通事故死しているアイズの双子の妹。「石動メイル」の名でコスプレ活動をしていた。自分とは正反対の性格の姉にひっそりと憧れを抱いていた様子。なおアイズもまた同様に彼女を羨ましく思っていた。
塚原ライゾウ
シドの祖父で古詠堂書館の店主。漢字表記は磊三。暦史書管理機構から委託された、店の地下にある「オルタナティヴ・コロンシリーズ」を所蔵する「ブランチ・アーカイヴ」の管理人。「第二次コロンシリーズハント」から帰って来たミミミ達にその秘密を明かした。
座間須
「2011」に登場。「サイカハント」の依頼人。四十代。三角眼鏡にやや厚化粧なのが特徴。語尾に「ザマス」を付けるのが口癖。
年表
年 | 月 | 日 | 出来事 |
2011 | 9 | 1 | ミミミ、シドのクラスに転入してくる 座間須による「望遠の彩華」の三巻の探書依頼 |
3 | ミミミとシド、前橋まで出張。「エキゾチック☆ニャンニャン・ナイト」の六巻を入手。その後交換という形でターゲットを入手 | ||
5 | 座間須にハントの報告。カバー違いが発覚 | ||
座間須の依頼の最終報告 | |||
2012 | 10 | 謳歌学園フェスでミミミとシドがコントを披露 | |
2014 | 3 | 31 | ミミミとシド、中学校を卒業 |
4 | 1 | ミミミとシド、道礼高校に入学 | |
2015 | シンによるコロンシリーズ探書の依頼。ミミミ含め五人のハンターでの共同戦線 | ||
9 | 29 | 芦辺のノート探書の依頼 | |
10 | 5 | ノートハント終了。特別にアフターサービス実施 | |
8 | ライゾウ、骨折により入院 | ||
12 | 古詠堂書館に臨時アルバイトとして瑠璃子が就労 | ||
19 | ミミミ、瑠璃子のハントを200万円と引き換えに阻止 | ||
23 | 神田古本フェス開幕 | ||
11 | 3 | 神田古本フェス閉幕 | |
12 | 24 | シドがミミミにシーユーで買ったコート(着用後)をプレゼント。その後ミミミはそれをネットフリマに出品し見事750円で売却 | |
2016 | 1 | 移動図書館蔵書2000冊のハント(購入)依頼 ミミミ、シンとアプリコットに共同ハントを依頼 |
|
3 | 3 | ミミミ、17歳になる | |
26 | 詩織による城跡めぐり作の小説(タイトル不明)の探書依頼 | ||
31 | ミミミとシド、詩織の依頼の調査のためファミレスに引きこもる | ||
4 | 1 | ミミミとシド、三年生に進級 | |
5 | ムムムとメメメが古詠堂書館に突撃 ミミミ、詩織の依頼の実地ハントから帰京。シド、エロ本を榊に奪われる |
||
6 | 2000冊ハントの納期 | ||
7 | 喫茶店で詩織に報告 | ||
8 | 新学期開始。シド、榊からエロ本奪還 | ||
10 | シド、18歳になる | ||
14 | 詩織から返事。ハント成功ならず | ||
16 | 詩織が再び古詠堂書館に来訪 | ||
17 | 詩織の家を訪問。城跡めぐりの手掛かりを探す | ||
23 | あおぞら号開館。初運行 | ||
26 | 詩織の依頼の最終報告 | ||
5 | 4 | 紀伊國による石動メイルの写真集の交換ハント依頼 | |
7 | 北之上家のメイド体験講座初日。ミミミとシド、受講者を装い北之上邸に潜入 ハントの最中アイズと遭遇 ママミ、ウェールズのヘイ・オン・ワイにてコロンシリーズの一冊を発見、2ポンドで購入 |
||
8 | メイド体験講座二日目。シド、ダウニィの犬小屋でターゲット発見 | ||
12 | 交換ハントの報告。アイズ、コスプレ撮影を交換条件にメイルの写真集を紀伊國から譲り受ける | ||
13 | ママミ、ユウコの元を訪れハントの結果を報告、及びコロンシリーズ三十八冊を引き渡す ミミミ、シドにお泊まりをねだるが断られる。ママミと自宅で一晩過ごす事に |
||
14 | シド、ミミミと共にママミの東京観光に付き合う。ユウコの元に「RENJIRO:1945」に関する知らせが届く | ||
17 | ユウコらによるコロンシリーズの探書依頼 | ||
18 | コロンシリーズハント初日 | ||
19 | コロンシリーズハント二日目。ミミミとシドと風見、ジェイク達と遭遇 | ||
20 | コロンシリーズハント三日目 | ||
21 | コロンシリーズハント四日目。枯れ井戸の底でコロンシリーズの一冊を発見するが、ジェイク達が用意した偽物だった。ミミミ、内通者の存在を疑う | ||
22 | コロンシリーズハント五日目。ミミミ、ダンをボッコボコにしコロンシリーズの一冊を入手 ユウコより「RENJIRO:1945」の詳細が語られる 暦史書管理機構内に潜入していたスパイが北条である事が発覚、捕まえようとするが逃げられる |
||
23 | コロンシリーズハント六日目。多目的広場にてハンターズ・サークルと対決の末二冊のコロンシリーズを揃える 帰路の途中新宿付近でジェイク達が再来 ミミミら、散り散りになり四谷へ向けて逃走開始 ミミミ、ジェイクと二度目の対決。重傷を負う 風見、キースと対決。撃破 アプリコット、エルシィと二度目の対決。撃破。シド、四谷の立体駐車場の屋上でジェイクに立ち向かうが歯が立たずに重傷を負う ヤンに助けられたミミミ、彼と共にシドの元に到着、ジェイクと三度目の対決。コロンシリーズを奪い返す直前で逃げられる ミミミ、上空からの一撃でジェイクを撃破。コロンシリーズハント終了。その後シド達と共に暦史書管理機構の医療施設に入院 |
||
24 | 入院二日目。ミミミ、女子高生ブックハンターゴリラとしてロンドンのブックハンター達の間を席巻 | ||
25 | 入院三日目。シド、ミミミから新しい眼鏡をもらう。アプリコットと風見、退院。 | ||
26 | 入院四日目 | ||
27 | 入院五日目。ノンブルハンター六人、会食 | ||
28 | ミミミとシド、退院。ライゾウによりブランチ・アーカイヴの存在を知らされる | ||
6 | 4 | シド、ミミミにコロンシリーズハントの報酬を勝手に使われていた事を知る | |
高橋、かつての思い出の女性と二十年ぶりの再会。2000冊ハント完遂 | |||
7~8頃 | 水元によるコロンシリーズの探書代理依頼 | ||
(代理依頼から二日後) | ミミミとシド、水元を帯同し東京タイニーランドにて人の金で遊びまくる 夜間になりハント実施、ターゲット確保。ハント終了 |
||
2017 | 1 | シド、書店で石動メイルことアイズのインタビュー記事が載った雑誌を購入 | |
2027 | 12 | 24 | ムムムとメメメ、前年に引き続き子供達に本のクリスマス・プレゼントを実施 |
- 最終更新:2021-12-31 01:26:53